昨年度の４０周年を新たな出発点とし、研究大会は支部と一体化した研究活動の活性化、会員の交流、課題の共有化を図る場としての充実を目指していきたいと考えます。そこで本年度の研究大会は新しい時代を創造する研究･研修活動と、若い力の育成に重点を置く活動の展開を主眼においた大会といたします。分科会につきましては�仝Φ翆甘�による分科会��研修プログラム検討委員会答申をふまえたシンポジウム形式の分科会��埼事研の理事のプロジェクトチームによる会員参加型の分科会の３つを設定します。３分科会とも提案・討議する方向性は学校事務職員の力量形成・育成のあり方となっています。
このような分科会設定のもと、第３８回埼玉県学校事務研究大会は、研究担当による基調提案を核に据え、埼事研本部による企画運営で構成します。また運営にあたっては昨年度の４０周年記念大会と同様に、本年度も各支部からの協力をいただきながら行い、本部と支部が一体となって創りあげていく研究大会を継続します。そして来年度以降は本部と支部が共に分科会を担当する研究大会にいたします。
これからの学校事務職員の力量形成のあり方
−ライフステージに応じた育成の方策について−
埼事研研究担当
本県では『彩の国教育改革アクションプラン』を策定し、県を挙げて教育改革に取り組んできています。改革の視点として「地域の拠点となる学校づくり」「心豊かな子どもの育成」「教職員の意識改革」「安心、安全の視点をもった学校運営」の四点が挙げられ、学校はより一層家庭・地域と連携した、主体的な学校経営が求められています。そしてそのためには教育活動を支え、主体的な学校経営の基礎となる学校事務のさらなる向上が必要と考えられます。
翻って本県では現在約１３００人の事務職員が在職していますが、これからの１５年間でその半数の方が退職されることになります。経験に基づいた豊かな学校事務のあり方が失われ、経験年数の少ない事務職員の増加という時代に向かうこととなります。
以上のことから現在、学校事務総体のあり方をふまえ、学校事務職員の力量形成のあり方を見据えた取組みが、早急に求められていると考えます。
埼事研研究担当では平成１６年度から継続的に事務職員の力量形成のあり方について意識調査を実施しながら研究を進め、本県の学校事務職員の能力開発のあり方や仕事に対する考え方の分析を行ってまいりました。以上の経過をふまえ本年度、これからの学校事務職員の力量形成のあり方について、ライフステージに応じた育成の方策という視点での提案を行います。
《討議の柱》 これからの具体的な能力開発のあり方について
これからの学校事務職員をどう育成するのか
−埼事研研修プログラム検討委員会答申から−
埼事研本部担当（シンポジウム）
平成15年3月、埼玉県教育委員会は県内各市町村教育委員会に対し事務職員の標準的な職務を通知として示しました。このことは学校事務職員のあるべき姿や職務について研究と討議を重ねてきた埼事研のみならず、私たち埼玉の学校事務職員にとって大きな出来事でした。埼事研は、この標準的職務の通知を背景に望ましい研修のあり方と研修プログラムについて研修プログラム検討委員会を設置し答申を求めました。急激に変化していく社会や学校のもと、多様化・複雑化する学校事務を、テーマ別研修会をはじめとした埼事研独自の研修体制だけで担うのは組織的にも財政的にも限りがあります。職務内容において財務や情報という分野が学校事務職員像として定着し、評価制度が導入されようとしているこの時期において、研修に対する私たちの共通理解と研修制度の確立に向かい大きく一歩踏み出すべきだと考えたのでした。
この答申から早くも1年余が経過し、評価制度は完全実施されました。私たち埼玉の学校事務職員がどのような力量を必要とし、どうやってその力量を積み重ねていくべきなのかを今一度考え、そのための研修はどうあるべきかを考察します。これからの新しい時代の学校の中で、たくましく学校経営に参画していく次の世代の学校事務職員を育成するために、将来的な展望に立って望ましい研修のあり方についてシンポジストとともに考えましょう。
また、この分科会をつうじて私たちが望ましい研修のあり方について共通認識を図り、今後市町村や支部をはじめ各々の地域で事務研活動を展開していくことは、その各々の取り組みをより一層有効に機能させるものとして期待できます。
力量形成の第一歩！となりの事務は何してる？
−いただき！他人の仕事スタンス 自信を持て！自分の仕事スタンス−
埼事研理事プロジェクト担当
私たち経験の少ない学校事務職員にとって、学校経営に参画するための「力量形成」とは何でしょう？ 私たちは「そのきっかけになるような研修ができないだろうか？」というところが、研究のスタートとなっています。
｢力量」とは物事を成し遂げる力の程度、能力の大きさであり、それらを「形成」するには経験と研修が必要だと言われています。しかし、埼玉県の学校事務職員には初任者研修を除き、年齢や経験を考慮した任命権者（県教委）主催の研修制度がありません。したがって、自から力量を身につけていくこととなります。そこで本分科会では、力量形成の初歩的な研修として、次の手順を考えてみました。
※以上の内容から、本分科会は経験10年以下の方を主な対象とさせて頂きます。予めご了承下さい。